本財団主催の令和7年度「小規模な相談会を含めた講演会」(講師 国立健康危機管理研究機構(JIHS)理事、東京大学医科学研究所 先端医療研究センター感染症分野 教授 四柳 宏 先生 : NPO法人 東京肝臓友の会協賛)は令和7年10月19日、本財団(港区南青山)において開催されました。
四柳先生はウイルス肝炎患者さんを対象に「ウイルス肝炎と脂肪性肝疾患 ー最近の話題ー」
をテーマに、最新情報を踏まえて患者さんの視点から分かりやすく話されました。
「①健康長寿(百寿)のためには糖尿病を防ぎ、コレステロールを低く保つことなどが大切と考えられる。②肝臓がんの原因はウイルス(B型肝炎ウイルスHBV・C型肝炎ウイルスHCV)と代謝性疾患(アルコール性肝障害・脂肪肝)に大きく分けられるが、非ウイルスの割合が次第に増えている。③HCVの排除は抗ウイルス療法の進展によりほぼ達成できたが、HBVの排除は難しく現在、新たな治療薬の開発が積極的に進められている。④アルコール、非アルコール脂肪性疾患(NAFLD)は日本でも世界でも人口の20%~30%とされ、このうちのごく一部が肝細胞癌になる。脂肪肝はかつては肝硬変、肝細胞癌は合併してこないとされてきたが、炎症を伴う状態(MASH)の場合は肝線維化が進み肝細胞癌になることがわかってきた。BMI 25以上の肥満、糖尿病、男性、40歳以上が脂肪肝有病の因子であることがわかった。⑤肝臓がんにならないためにはB型肝炎、C型肝炎の制御を行った上で、適度な運動・食生活の注意により動脈硬化の進行を防ぐなど生活習慣の改善対策が大事である。」などウイルス肝炎と脂肪性肝疾患の最近の動向についての講演と小規模な相談(司会 東京肝臓友の会 事務局長 米澤 敦子 様)を実施されました。
本財団は本年11月に設立30周年を迎えます。これからも肝疾患領域の専門医・研究者、患者さんに貢献できますよう活動を続けて参ります。ご支援をよろしくお願い申し上げます。