本財団の令和7年度第1回研修会(賛助会員等対象)は令和7年8月2日(土)午後、国立健康危機管理研究機構(JIHS)国立感染症研究所においてJIHS副理事長の脇田隆字先生(本財団評議員)の座長により開催されました。
前半に「肝炎、肝線維化、肝発癌」をテーマに演者4名による講演(下記)があり、後半に昨年度令和6年度本財団研究助成者3名[東京大学医学部附属病院 消化器内科の中塚拓馬先生(エピゲノム異常に着目した代謝関連脂肪性肝疾患(MASLD)の病態解明および治療標的の探索)、JIHS国立感染症研究所 ウイルス第二部の若江亨祥先生(B型慢性肝炎への脂肪負荷による発癌促進機構の解明)及び東京科学大学大学院医歯学総合研究科 消化器病態学分野の土屋淳先生(ヒトiPS由来肝細胞系譜細胞を利用したB型肝炎ウイルスゲノム挿入による肝発癌機構の解明)]による研究発表がありました。
①東京科学大学大学院医歯学総合研究科 消化器病態学分野 肝臓病態制御学の朝比奈靖浩先生(科学と医学が織りなす肝疾患克服への挑戦~ヒトiPS細胞を用いた技術革新~)、②大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学の齋藤義修先生(肝炎、肝線維化、肝発癌を一つの標的で制御する:TEAD経路に基づく治療の新機軸) 、③JIHS国立感染症研究所ウイルス第二部の相崎英樹先生(C型肝炎SVR後の肝臓の線維化、肝発癌を含む肝病態変化の解明と新規感染モデル動物の開発)及び④東京科学大学大学院医歯学総合研究科 分子腫瘍医学分野の田中真二先生(層別化に基づく肝がんの病態解明と個別化医療の開発)から、それぞれ肝疾患研究の最前線を多角的に紹介するご講演と質疑応答が行われました。
最後に座長の脇田先生から、これまでの本財団第1回研修会はB型肝炎、C型肝炎を中心とした講演であったが、今回は「肝炎、肝線維化、肝発癌」の包括的なテーマのもと、「脂肪性肝炎がどのように発癌につながるか」、「遺伝子異常による病態解明がどのように治療に応用できるか」など興味深い講演でまた、後半の財団助成研究の発表内容ともつながり有意義な研修会であったと総括されました。
なお、本研修会参加対象の本財団賛助会員の入会をご希望の方は、本ホームページ「お問合わせ」より件名に「賛助会員入会希望」とご記入の上、ご連絡ください。本財団は令和7年4月1日、引き続き東京都より寄附金(賛助会費含む)の税額控除適用法人としての証明を受けましたので会員の皆さまには税制上の優遇措置をお受けいただくことができます。