宮川庚子(みやかわ かのえこ)記念研究財団令和6年度「第2回研修会」 (会員等) の報告

本財団の令和6年度第2回研修会(賛助会員等対象)は令和7年2月1日(土)午後、御茶ノ水の連合会館において自治医科大学医学部 感染・免疫学講座ウイルス学部門 名誉教授の岡本宏明先生の座長及び座長選任の4名の演者により昨年と同様に対面形式で開催されました。

「E型肝炎研究の最新情報2024」をテーマに①日本赤十字社 血液事業本部 中央血液研究所 感染症研究グループの田中亜美先生「全国導入したHEV NATスクリーニングにより明らかになった日本の献血者におけるE型肝炎ウイルス感染の疫学的特徴」(疫学研究)、②鈴鹿中央総合病院 消化器内科の岡野宏先生「免疫抑制剤使用中のHEV感染と慢性化、及び治療介入後の興味ある経過について」(臨床研究)、③国立感染症研究所ウイルス第二部の李天成先生「マーモセットのHEVの動物モデルとしての可能性の検討」(感染研究)及び④自治医科大学 医学部 感染・免疫学講座ウイルス学部門の長嶋茂雄先生「HEVの生活環におけるタイトジャンクションタンパク質の役割」(基礎研究)の4題について最新情報の発表と参加者との活発な質疑応答・討議が行われました。

最後に岡本先生に今回の研修会の総括をしていただきました。
E型肝炎研究の今後の課題として、疫学的データ解析・感染事例による野生動物からヒトへの感染経路の解明、臨床現場における慢性化の診断と治療、基礎研究での動物モデルによる感染実験の検討・HEV生活環に関わるタンパク質の解明・治療薬開発などあげられ、本研究分野の益々の発展が期待されます。

我が国のE型肝炎ウイルス感染の実態と基礎研究について最新のトピックスを含む大変興味深い研修会でした。
本研修会は本財団賛助会員を対象に実施しております。賛助会員に入会申込の方は、本ホームページ「お問合わせ」より件名に「賛助会員申込」と記載の上、ご連絡ください。

本財団は令和2年4月1日付で東京都より寄附金(賛助会費含む)の税額控除適用法人としての証明を受けました。
賛助会員は確定申告の際に「税額控除」を選択すると、さらに所得税額が少なくなる税制優遇措置を受けることができます。